簡単な記事の作り方

正月明けの読売の記事で、ツッコミネタ書こうと思いつつ放置していたので、今さらなんですが。
「うつ百万人」陰に新薬?販売高と患者数比例 ※元記事消えてたのでキャッシュです
要するにうつ病の患者が増えた、ちょうどSSRIの登場とリンクしている、
「きまじめで責任感が強い、自分を責める」人のパターンと異なる患者も増えた、と。


つまり製薬会社の宣伝に載せられ、なかば詐病に近い患者が増えたと、こうおっしゃりたかったのでしょう。天下の読売新聞は。


読売の書評にこんなのもありました。
なぜうつ病の人が増えたのか/乱造される心の病 : 書評 : 本よみうり堂
この上の本の著者って、さっきの記事でコメントしてた人ですね。
ある立場の人の声を元に、それを裏付ける「だけ」の記事を書いたんですね。
適当なデータと適当な人からの意見を集めることで、こういう記事を造るのは簡単です。
Wikiから適当に切り貼りして造った手抜きレポートみたいなもので。


私は決してきまじめでも責任感が強いわけでもないが、
じゃあ病気休暇で療養してたとき何していたかって言うと、仕事からしばらく解き放たれた、などという開放感は微塵もなくて、
ベッドで悶々としながら時々カッターナイフで傷を造ってたんですが、
それも「乱造」されたんでしょうかね。


社会がいろいろ変わってきて、
理不尽なことを正義のようにわめき散らす連中もいるし、
仕事は増えても人は減るし、
やってる仕事の意味が分からなくなることもあるし、
一生懸命働いたって決して豊かになんかなれっこない、ということにもみんな気付いてきた。
2000年を境に急増した、というが、
その2000年前後ってどんな時期だったのか、社会の動きも絡めて考えなければ、単なる数字あわせで造った記事にしかならない。
例えば、90年代終わりに自殺者が3万人台に乗ったはずですが、そのことは関係ないのか。


私の後輩が以前自殺したけれど、
自らの命を自ら絶つ、少なくともその行為に至る過程においては、明らかに病的な状態だと思います。
生物としての自己防衛本能に逆らう行為ですから。
でも人間なんてそう強いものではなくて、
それとなく、何らかの異変のシグナルを発するものだと思います。
ただ、自殺した後輩はほんとうにきまじめな人でしたから、
シグナルを自分の中に隠しこんだまま、命を絶ってしまったのでしょう。


そんなことを考えていたら、記事を読んで無性に腹が立ってきて、
ネタにするのが遅れた、というのも正直なところです。
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