限界と無力と

何とかほど高いところへ行きたがる、とは言いますが…
以前(12月2日の日記で)上富良野町の観覧車問題について触れましたが、
その後も、着々と建設工事が進んでいるようです。
ネット署名もしましたし、この件について多くのブログ、サイト等でも話題になっていましたが、
いくら遠くに住む我々が声を上げたところで無視されればそれまでだし、
反対運動の担い手が写真家さんやペンション経営者さんだから、「自分たちにとって害になるから」反対してるんだろう、と単純な誤解を与える可能性もありますし。
Yahoo!ニュースで取り上げられたときにはそれなりに反響がありましたが、
所詮ネット世論なんてその時だけで、ひと月もすれば昔の話題です。
反対運動の「担い手」が広がらなかった、というのが、今回の敗北(あえてこう書きます)の一因だと思います。


私の様に「美瑛・富良野の風景が好き」という観光客にも実は責任の一端があって、
観光といっても地元に落とすお金は微々たるもの。
特に観光バス利用のツアーだと、ただ景色を見ながら通り過ぎ、どこかの売店でお土産物を買うだけ。
あのあたりの基幹産業は農業で、農家の人々にとっては観光客を迷惑に思ってる人もいるでしょうし。


ある人に言わせれば、昔に比べ美瑛や富良野の景観は既に大きく変わってしまった、と。
私が毎年の様に夏に訪れ癒しをもらっていた景観も、実は昔とは変わってしまっているそうです。
仮に観覧車が無くったって、既に景観は悪化している、と。


加えて、地方では「力を持った人」には官民問わず逆らえない、という現実もあって。これは上富良野に限りません。
あの業者…トリックアート美術館の経営者…がどの程度の力を持った人か持ってない人なのかは知りませんが、
バスツアー客を呼びこんで、美術館と観覧車にお客を入れることに成功すれば、
景観がどうのこうのと個々人がいくら反対を叫んでも知ったことではないのでしょう。
まして企業が利益をあげれば、税という形で町にもお金が入ります。


(仮に)政治力を持った相手と対峙するには、やはりこちらもそれなりの政治力を持たなければ、勝てない。
理想論を何百何千とふっかけても、相手にとっては痛くもかゆくもない。


残念だし悔しいし空しいけれど、それが現実、なんでしょうね。
愛してやまない美瑛や富良野のために、年に一回訪れるだけの自分に何ができるのか。
自分にも分かりません。
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