BEST MEMORIAL CLIPS 感想(3)
今回は、PVやDVDの感想から多少離れてしまうかも知れませんが…
いつかきっと 桜の花が この道に咲き乱れるとき…
人はみんな また思い出を 抱えて歩き始めるだろう…
(「卒業」詞・曲:町田紀彦)
PVにも満開の桜が出てきます。
卒業・入学シーズンと桜の時期が(多くの地域では)重なることもあり、桜の花に出会いとか別れという印象を抱く人は多いと思います。
もちろん私自身も。
しかし。
この詞を書いた町田紀彦さんも、歌ったZONEのメンバーも(大阪生まれのMAIKOを除いて)北海道で生まれ育っています。
北海道における卒業・入学シーズンは、まだ雪解けの頃。
桜が咲く頃にはすでに、「思い出を抱えて歩き始め」てからかなり日が経っているはずです。
つまり、町田さんや彼女たちの実感としては、桜の花と卒業は結びつかないんじゃないかと思います。本来は。
一方で、ニュースとかドラマとかコミックとか歌とか、要するにメディア(それらのほとんどは東京発信)を通して、
東京では卒業(入学)シーズンに桜が咲くことを、多くの北海道の人は知っています。
知識として知ってはいるんだけど、生活実感を伴わない、のかな?
東京で生まれ、愛知で育った私にはそのあたりのギャップが無いので、よくわからないんですが。
もちろん北海道だけじゃなく、沖縄でも同じことが言えますし、本州だって場所によって気候は全然違います。
地域差なんて無視して、東京発の情報が大量に全国にばらまかれる…
それが人々の意識形成にも大きな影響を及ぼすのかもしれません。
もちろん、これは単に桜だけのことではありません。
もっとも、雪解けの卒業ソングなんて出しても、北国以外では受け入れられないでしょう(苦笑)。
PVはおそらく東京の作家さんが作ったんでしょうが、特に詞を書いた町田さんがそのあたりをどう意識したのかしていないのか、と、
この曲を聴く度にそんなことを考えます。